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こんにちは、神楽です。元気です。
5月18日にサイトが11歳になりました。
この1年もまったりお絵かきやお話作り進めていこうと思います。
よろしくお願いします。
11周年とは関係ないですが、今日はシナリオをちらりと公開してみます。
制作中ゲーム黒白スキエッタwhiteのプロローグの一部分です。エアハルト視点。
まだゲーム本編は完成していないのでガンガン変更の可能性はありますし、ゲームシナリオのため演出メモ入ってたりしますが、よろしければご覧下さい~。ちなみにロンターノに出て来る聖界や魔界とは別の世界です。
カミラが危篤だという報せが入ったのは、初等部6年、春のことだった。
学院のあるダレットから急いでイエソド行きの便に乗りこみ、
港に着いてから村までは馬車で移動した。
5日かけてようやく実家に帰ったものの、すでに葬儀が始まっており――
白い棺桶の中で、白い服を着たカミラが眠っていた。
***
「おめでとう」
「おめでとうカミラ」
「おめでとう、エアハルト。カミラは無事に還ったよ」
たくさんの祝福を受けて、カミラは還った。
享年62歳。
身寄りのない俺を引き取ってくれた女性だった。
***
白く虚しい葬儀のあと、俺はいつもの場所へ来ていた。
小さな泉に花畑、木に登れば麓の村を見下ろせる。
誰も知らない、俺だけの秘密基地だった。
「…………」
木の上から村の様子を見てみると、まだあちこちに白い布が垂れていた。
白は祝福の色。神聖な色。――神様の色。
死者の魂が迷わず神の御許に還れるようにとの願いがこめられている。
***
ここは天界ユーコミス。
神様が創った天使の楽園。
「生も死も、等しく幸福なことである」
「なぜなら天使は皆、神のために生まれ
神のために死ぬからだ」
物心つく前からそんな説教を聞かされて育つ。
俺たち天使とやらは皆、例外なく。
だから、カミラが死んで悲しんだやつは居ない。
――俺も含めて。
;祝う人々の顔を次々映す
「…………」
(何が神だ)
(何が天使だ)
(死んだ魂は世界に還る?
神の御許へ往ける?)
(魂がひとつ消えるのに、カミラの意思でもないのに、
カミラとはもう会えないのに、
いったい何を祝えっていうんだ)
俺が大人になって稼げるようになったら、
その金で楽をさせてやるつもりだった。
でもそれも、もう叶わない。
(常識なんて、所詮はただの刷り込みじゃないか)
(何が本当かもわからないのに
皆確かめもせず信じきってる)
;背景:空
「――……」
目に映る景色は
確かに美しいのに
(――気味が悪い)